爆買いからみる「メイドインチャイナ」

主　旨

本稿では、三つの章に分けて、中国人の海外爆買いから、今の「メイドインチャイナ」を考察する。

第一章では、まず、最近の中国人の海外爆買いという社会現象について、詳しく分析する。爆買いという言葉の由来、爆買いの主要な商品、爆買いの背景と原因、爆買いの影響という面から分析を展開する。

第二章では、爆買いの要因などを考慮しながら、「メイドインチャイナ」の状況を見直す。中国製造の現状が厳しく、品質が低く、技術レベルが遅れるなどの深刻な問題を抱えるが、従来のメリットを生かし、その未来性が十分にあると思う。

第三章では、爆買いのことを深く反省し、「メイドインチャイナ」の発展のために、品質改善、技術イノベーション、供給側改革、サービス差別化、民族ブランドの構築という五つの角度から、改善策を提起する。

中国は「製造大国」から「製造強国」への転換を実現するのにまだ長期的な奮闘努力が必要である。海外の消費を次第に国内に再導入させるように、先進国の経験を参照し、積極的に技術を革新し、自分のブランドを構築し、高品質のものを作り、優れたサービスを顧客に提供しなければならない。

キーワード：海外爆買い、メイドインチャイナ、革新

摘  要

  本文分为三章，从中国人的海外爆买来考察一下如今的“中国制造”的情况。

  第一章，首先针对最近以来的中国人的海外爆买这一社会现象，进行详尽的分析。从爆买这个词汇的由来、爆买的主要商品、爆买的背景原因、爆买的影响，这四个方面来展开分析。

  第二章，结合爆买的要因，来重新审视一下我们的“中国制造“。中国制造的现状很严峻，面临着品质低劣，技术水平落后等严重的问题，但是利用既有的优势条件，未来的发展还是很值得期待的。

  第三章，深刻反思爆买，为“中国制造”的发展，从品质改善、技术革新、供给侧改革、服务差别化、品牌树立这5个角度，提出改善策略。

   中国要实现从“制造大国”向“制造强国”的转变，还需要长期的奋斗努力。要使得海外消费逐渐回流，必须参照发达国家的经验，积极进行技术革新，树立自己的品牌,制造出高品质的东西，向顾客提供优良的服务。

关键词：海外爆买、中国制造、创新

はじめに

1.中国人の海外爆買い

1.1爆買いとは

1.2爆買いの主要な商品

1.3爆買いの背景と原因

1.4爆買いの影響

1.4.1国内への影響

1.4.2日本への影響

2.「メイドインチャイナ」への見直し

2.1「メイドインチャイナ」の現状

2.2「メイドインチャイナ」の問題点

2.3「メイドインチャイナ」の見込み

3.爆買いにみられる「メイドチャイナ」の改善方向

3.1「中国製造」から「中国質造」へ

3.2技術イノベーション

3.3供給側改革

3.4サービスの差別化

3.5ブランドの構築

おわりに

参考文献

はじめに

去年から、海外での中国人の「爆買い」は大きな話題になった。東京の商店街で、数多くの買い物袋を持ちながら歩く中国人の観光客があちこち見える。

中国人の観光客による爆買いの対象は、家電製品・美容製品・医薬品・菓子類などから、マンションにまで至る。これらの商品はほとんど国内で購入することができるが、なぜわざわざと日本に買いに行くのか。海外での「爆買い」を支える大きな要因は中国人が海外の高品質・高性能の商品を買いたいという強い意欲があるだと思われる。つまり、国産の商品の品質などは中国人の消費ニーズに満たすことができない。ご存知のとおり、中国製の商品は「メイドインチャイナ」と称される。「メイドインチャイナ」は非常に値段が安いが、粗悪品も見られやすい。　

　大きな注目を集めてきた「爆買い」の現象の裏から、「メイドインチャイナ」の現状と問題点が明らかに見られると思う。今まで、「メイドインチャイナ」に関して数多くの研究を行ってきた。例えば、祖林と怀海涛の『中国制造的世界级战略』、梅新育の『民生中国・中国制造业向何处去』などの著作は中国製造業について詳しく分析し、改善策を提議し、「メイドインチャイナ」の将来性を明らかにする。本稿では、こららの既存の文献資料を踏まえながら、「爆買い」についての記事と分析データを参照し、「メイドインチャイナ」を見直し、改善方向を少しまとめようと思う。このような分析研究は、中国製造業のさらなる成長に少し役立つことになると思う。

1.中国人の海外爆買い

1.1爆買いとは

　「爆買い」とは一度に大量にまとめ買いをすること[1]であり、主に来日した中国人観光客が大量に商品を購買することに用いられ、2014年頃までに定着した。この言葉は2015年ユーキャン新語・流行語大賞の年間大賞に選出された。2015年2月の春節休暇に中国人観光客が日本を訪れ高額商品から日用品まで様々な商品を大量に買いあさる様子を「爆買い」と表現して、多くの日本メディアが取り上げた。日本のメディアによると、2015年の春節の間に、日本を訪れた中国人観光客は約45万人、消費金額は約60億元にも上ったという。[2]春節の時期を過ぎても、平日でさえも日本で中国人客を見かけることが多く、「爆買い」は継続中だ[3]といわれている。日本だけではなく、韓国、ホンコン、ドバイなどの観光地でも、ショピングを主な目的とする中国人の観光客が多い。全体的にみると、2016年の春節休暇の間に、およそ600万の中国人は海外に行き、約900億元の消費額を記録したという。

1.2爆買いの主要な商品

　中国人による爆買いの商品は様々であるが、主要な商品は4種類に分けられ、それぞれ母子用品、化粧品や服飾などのブランド品、保健品、電器やデジカル製品である。

　母子用品は主に乳幼児用粉ミルク、オムツなどで、海外爆買いにおける一番多い商品である。また、中国の税制のため、有名な海外ブランド化粧品やカバン、時計、靴などの服飾用品は外国などで直接買うと、非常にやすくなり、爆買いの主要な対象にもなる。それから、中国の保健品市場が混乱し、保健品に添加成分が不明で、海外の保健品も人気が高い。デジカルカメラ、電子辞書、自撮り棒などの海外デジカル製品は技術が先進し、機能が豊かで、質が高いため、中国人の海外爆買いの対象リストにもリストアップされている。

1.3爆買いの背景と原因

改革開放以来、中国の国民生活レベルが高くなり、収入も多くなり、海外観光は人気ものになる。統計データによると、中国の海外観光者数はここ数年、急増し、2015年に1.2億人も達した。観光以外、ショピングも旅行の楽しみである。例えば、日本を訪れる場合、観光以外に買い物も重要な目的である。日本のあるアンケート調査では、中国人が「今回の訪日旅行でしたこと」と「次回の訪日旅行でしたいこと」について以下の図をまとめた。

観光・レジャー目的の中国人に聞いた「今回の訪日旅行でしたこと」「次回したいこと」（観光庁「訪日外国人消費動向調査（2014年）」）

上記の図からみると、「今回したこと」で多かったのは、１位が「日本食を食べること」、２位「ショッピング（を楽しむ）」で、９割前後の人がこの２つの項目を選択した。爆買いはまず、海外観光がブームとなり、多くの人がショピングを楽しむという背景の下で起きたのである。

日本における中国人の「爆買い」を支えている大きな要因は２つあり、それぞれ「為替レートが元高・円安になっていること」と「日本の高品質・高性能の商品を買いたいという強い意欲があること」だ[4]と思われる。深い原因は国産の商品が中国人の消費ニーズに満たせないことである。前に挙げられた爆買いの主要な商品からみると、これらの商品は中国製より外国製のほうが品質が良く、機能が良い。値段が高くても、中国人は高品質のものを買いたいと思う。現在の消費者の心理は低価を重視する以前の考え方とはたいぶ変わってくる。中国製、よく「メイドインチャイナ」と呼ばれる商品は値段が安いが、ほとんど産品技術が遅れて品質が悪いというイメージがある。ドイツ、日本などの製造強国に比べて、中国のメーカーは品質、技術などの面において凝らした工夫が確かに足りない。作り出したものが多くの場合に自国消費者のニーズにあっていない。また、中国の税制で海外輸入のブランド品に高い税率を課せるという原因も絡んでいる。海外で良いものを大量に買うという爆買いの情景は当たり前のことになった。

1.4爆買いの影響

1.4.1国内への影響

中国人の海外爆買いは自国だけでなく、日本にも大きな影響をもたらし、各界から多くの関心を集めている。

まず、爆買いにより、国内の海外観光業の成長を推し進められる。買い物を主要な目的として、日本に観光に行く中国人が増えている。2016年の春節の間に海外に観光に行く中国人が600万人に達したそうである。また、訪日外国人１人当たりの買い物にかける費用のランクは１位が中国（14.3万円）、2位が香港（8.5万円）、3位が台湾（5.7万円）である。[5]海外における爆買いから、中国の消費市場が実は大きな潜在力を持つことが分かった。

しかし、多くの中国人は海外に買い物をすることにする。大きな消費量が国内市場の発展を促進せず、海外市場に流れこむ。従って、国内での消費量が次第にに下がっていく。自国のメーカーの製品がなかなか売れなく、中小企業の経営がより一層困難になる。国内市場の生産過剰の現象が深刻化になる。もし中国のメーカーが積極的に改善策を求めて海外の消費を国内に再導入しなければ、長期的にみれると、企業自身の発展を阻害するだけではなく、国全体の経済不況にもつながる恐れがあると思われる。

1.4.2日本への影響

それに対して、中国人の海外爆買いは日本の百貨店とストアなどの売り上げを大幅に増やした。例えば、日本の百貨店の松屋は訪日の中国人の爆買いのおかげで、2015年に売上高が23.7パーセント増え、特に主力の銀座店では売上高全体に占める免税品のシェアが、2014年は8パーセントに過ぎなかったのが、2015年は25パーセントに達した。[6]当地の商業の売り上げを高め、製造業の成長に役立つことになるが、中国人の爆買いを大歓迎するとは限らない。例えば、日本で中国人が大量に花王のおむつや粉ミルクなどを買うために、在庫品が急に少なくなり、当地の供給が足りなくなる。従って、日本の多くのストアなどで、中国人に対して厳しい購入制限がかけられ、大量の購入が難しくなった。同時にすべての工場が稼働しても中国人の買占めに追いつかないため、花王はやむを得ずおむつの値段を高めた。中国人による爆買いは当地の供給不足を引き起こし、観光先の人々の正常な消費生活に影響を与えている。

2.「メイドインチャイナ」への見直し

2.1「メイドインチャイナ」の現状

　中国は「世界工場」として、低価格で国際市場で重要な地位を占めている。世界における大きな貿易輸出国として、「メイドインチャイナ」は国家の経済成長に大きな貢献を捧げた。製造業の輸出は国民経済に重要な地位を占めているが、高速な成長を遂げたと同時に数多くの問題も発生した。

中国の製造業は規模が大きいが、強いとはいえない。製造業の輸出量は世界で先頭煮立っているが、品質において先進国より遅れている。国民たちが自国の製品より、外国の高品質のものを好み、海外観光のときに一回に大量な商品を買うということまで至る。中国製造業の現状の原因について、その成長は物的資源の投入に依頼しすぎるからだと思われる。素速い成長を実現すると同時に、重い犠牲をもたらした。資源の消耗が多く、環境汚染が深刻である。

しかも、「メイドインチャイナ」は今、国際市場で厄介な立場に立っている。「メイドインチャイナは安い値段で大きなシェアを占めていると同時に、品質が良くないためにユーザーからの評価が非常に低い。

2.2「メイドインチャイナ」の問題点

現在、中国製造の主要な問題点は以下のとおりである。まず、製品の付加価値が低い。我が国の製造業は主として製品付加価値の低い部品加工製造と労働密集型の産業に限られていて、国際産業チェーンのローエンドであり、鍵となる技術が不足している。

また、技術レベルが低く、自主イノベーションが不足している。多くの中国企業は肝心な技術において先進国との差がまだ大きく、鍵となる多くの技術が外国に依存している。

最後に、自分のブランドがない。長期にわたり、我が国の製造業の輸出商品は90％以上がOEM（他社ブランドの製品を製造する）であり、主に我が国の安い人件費と土地資源によるものである。このような生産モデルは自分のブランドがなく、産業チェーンのローエンドに属し、利潤も少ない。

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[1]  爆買い(ばくがい)とは. コトバンク. 2015年7月6日

https://kotobank.jp/word/%E7%88%86%E8%B2%B7%E3%81%84-1713329

[2] 春節「爆買い」1140億円 商戦をデータでひもとく. 日本経済新聞. 2015年3月2日

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO83747080X20C15A2X1G000/

[3] 中島恵.便座まで爆買いする中国人の「日本製信仰」（上）.ダイヤモンド社. 2015年4月14日

http://diamond.jp/articles/-/70041

[4] 塩谷英生.意外と知らない中国人爆買いの理由.読売新聞. 2015年12月25日

http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20151225-OYT8T50107.html?from=y10

[5] 塩谷英生.意外と知らない中国人爆買いの理由.読売新聞. 2015年12月25日

http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20151225-OYT8T50107.html?from=y10

[6] 百貨店3社売上増　中間決算免税品「爆買い」効果.朝日新聞.2015年10月10日朝刊第9面

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