アリババ従来サービス分析及び将来戦略予測

はじめに

第2章　アリババの現状

　第1節　アリババの概要

　第2節　企業戦略

  2-1   戦略の沿革

　2-2   成功した要因

第3章　アリババの抱える課題

　第1節　ビックデータの有効活用

第2節　取引プラットフォームでの売名行為

第3節　個人オンラインショップの偽物

第4章　アリババのSWOT分析

　第1節　アリババの強み

1. ブランド化
   1. 膨大なユーザー数

第2節　アリババの弱み

第3節　事業拡大の機会

第4節　事業上の脅威

第5章　課題と脅威の解決策

第1節　ビックデータによりサービスの向上

第2節　売名行為の抑止

第3節　偽物販売の罰

第6章　将来の戦略展開

第1節　モバイル市場展開

第2節　国際化展開

第3節　国内地方発展への貢献

第7章　結論

第1節　本研究の成果

第2節　本研究の意義

第3節　今後の課題

参考文献

はじめに

近年、インターネットの発展につれて、電子商取引が人々の日常生活において、無視できないほど重要な役割を果たしている。今年11月11日の「独身の日」がネット通販最大の商戦日であると思われるようになった。今年の11月11日に、中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング（以下はアリババと略称する）は、「独身の日」セールの取引額が1683億元（254億ドル）となり、昨年の1207億元から39％増えて過去最高を更新したと発表したらしい[i]。そのデータから、アリババという電子商取引集団は中国の電子取引業界における重要な役割を果たしていることが窺える。

アリババは1999年3月に創業され、企業間電子商取引をサポートするマッチングサイトを通じて、多くの会員を集めて、急成長した。2014年に、ニューヨーク証券取引所に上場した[ii]。20年間不足の時間を経て、恐ろしいほど速く発展している企業として、その成功した企業戦略、直面している問題、それなりの解決策及び将来戦略を研究することは非常に現実意義があると考える。したがって、本論では、アリババを対象として従来のサービス及び将来の戦略を分析し、アリババ自身のより健全的に発展させたり、他の企業にどんな示唆を与えたりしたい。

• 　アリババの現状

アリババがそんなにすばらしい業績を取ったのは企業の戦略と分けられない緊密な関係を持っている。したがって、本章では、アリババの発展及び企業戦略を分析したい。

第1節　アリババの概要

アリババは1999年に創業され、主に企業間電子商取引(B2B)を行って、そして、個人に向けた電子商取引(B2C・C2C)の業務も始まった。電子商取引サイト「淘宝網 (Taobao．com)」、検索サイト「Yahoo!中国雅虎」、電子マネーサービス「支付宝 (Alipay)」、ソフトウェア開発会社「阿里軟件 (Alisoft)」（現在はアリババドットコムとアリババクラウドコンピューティングに合併） などの会社を設立し、または買収し傘下に収めた。2007年11月に阿里巴巴網絡有限公司（アリババ・ドットコム）を香港証券取引所のメインボードに上場、時価総額2兆円を超え当時世界史上最大のIPOとして話題を呼んだ。2012年6月、アリババ・グループによる株式公開買付けにより、香港証券取引所の上場を廃止した。そして、2014年に、ニューヨーク証券取引所に上場した。アリババが世界市場において、新しいチャンスをもらった一方、もっと激しい競争を直面している。アリババの主なサービスとしては、アリババ国際サイト、アリババ中国サイト、Tモール、アリババ日本サイト、AliExpress．com、淘宝網 (taobao)、Alipay（支付宝）、アリババクラウドコンピューティング（阿里雲）、中国Yahoo!などが挙げられる。

第2節　企業戦略

企業戦略とは、複数事業をもつ企業の親会社のレベルでの戦略で、具体的には事業ポートフォリオのマネジメントとなる。 伝統的には、 財務的なマネジメントが議論の中心だったが、 近年は事業間の効率的な知識・ノウハウの伝搬という「組織学習」の側面が重視されるようになってきている。というのは、競争上の優位性をもたらす強みとは、経済的な価値をもたらすことができて、稀少で、簡単に模倣することはできないと思われる。それは組織に根付いているからである。したがって、企業戦略は競争上の優位性と強くつながっていて、本節はアリババの企業戦略を分析し、主に以下の戦略の沿革と成功した要因に分けて論述したい。

  2-1   戦略の沿革

アリババ戦略の沿革といえば、18年あまりの時間を経て、アリババの企業戦略が調整しつつある。具体的には、アリババが創業されたとき、主な業務としては、企業間電子商取引(B2B)で、主に中小製造企業に取引の場所を提供した。その後は個人に向けた電子商取引(B2C・C2C)も始まって、速く発展につれて、インターネット交易のマーケティングとして、世界中の企業がインターネットを利用して、取引の相手を探すことができるようになった。そして、今は中国や世界中の中小企業や購買者に対して、取引プラットフォームを提供するようになってきた。また、アリババの発展沿革から見れば、アリババ集団が基本的に水平統合のパターンを形成し、つまり、同一製品やサービスを提供している複数の企業が、一体化することで、その市場における規模の経済性を実現しようとする戦略が形成した。

　2-2   成功した要因

アリババがそんな大きな成功を取った理由については、馬雲のビジョンから見れば、以下の五つの要素を述べたらしい[iii]。

まずは信用保証システムで、この信用保証システムこそがアリババの競争優位のコアでもある。

二つ目は、ネットを介するマーケットである。アリババの経営理念は「世の中からできないビジネスを無くそう（譲天下没有難做的生意）」となっており、まさに自ら小売セラーになるのではなく、ネットにおけるビジネス基盤の整備に専念するという自社ドメインの定義という風に理解できる。

三つ目は、検索エンジンとしての機能である。四つ目は、オンライン取引を円滑化するためのソフトウェア基盤である。両者はECを可能にする技術的基盤であると思われる。

五つ目は、決済システムである。アリババの発展につれて、決済を信用保証システムの補完として考えられてが、Tモールの誕生してから、決済システムが名実ともにアリババの収益源となっていく。

以上の論述から、アリババの成功は信用システム、経営理念、技術的基盤と決済システムなどの要因が挙げられる。

• 　アリババの抱える課題

アリババが速いスピドーで発展しているが、数多くの課題を直面している。2013年に、アリババのユーザの数が依然として増加しつつあるが、総収入と利益率がだんだん減少している。もっと深刻なのは競争の現状で、2011年中国の電子商取引の融資額は約70億ドルで、2012年には65.2億ドルに減少した。2013年になると、36.3億ドルしか発表されたらしい。そのデータから、競争の激しさのほか、アリババが直面している問題の緊迫性が見られる。したがって、本章は代表的な課題を中心に、アリババが抱える課題を分析したい。

第1節　ビックデータの有効活用

今は情報化時代で、インターネットそのものが情報の伝達がもっと簡単になってきた。アリババは中国において一番の電子商取引企業として、どうやってユーザーのプライバシーを保護した上で、情報の有効利用がますます重要な課題である。2016年に、中国において、1000万件に及ぶ中国大手のECサイトの顧客情報のデータが販売されているのが確認され、その情報の中にはユーザー名、ID、パスワード、Email、QQアカウントなどが含まれていたという事件があるらしい。2009年に、アリババの国際事業の一つとして、アリババクラウドコンピューティング（阿里雲）が設立した。それは中国最大のクラウドプロバイダーとして、世界各国の 230 万以上のお客様のために、拡張性の高いクラウドサービスとデータ管理サービスを開発している。また、アリババはBrand Databankを提供し、消費者のデータ資産の管理を実現したらしい。そのほか、アリババはビックデータを武器に、偽造・模造行為の撲滅活動を進めている。2016年、アリババはビックデータと研究データを活用し、中国が浙江省で行った偽造・模造に対する取り締まりに協力した。2億ドル以上相当の偽造・模造品が押収されたらしい。そのデータから、ビックデータの重要性も窺えた。以上から、アリババにとって、どうやってビックデータを有効的に利用すべきかは課題の一つであることを明らかにした。

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[i] ここは「アリババ、中国「独身の日」売上が過去最高更新　アイスランドGDPを超える」という記事を参考にした。

[ii]以上はウィキペディアにおける阿里巴巴集団の紹介を参考にした。

[iii] 以下は張 暁霖(2015)の「アリババはいかに巨大企業になったか」を参考にした。

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