はじめに
第1節 研究背景
中国では中産階級が急激に増加し、国内の消費ニーズが急速に高まりつつある。統計データによ れば、中国の国民収入は以前より拡大している。そのため、中国はさらなる大きな消費の潜在能力 があると考えられる。さらに、中国の消費水準が徐々に上がるにつれて、中国人の消費習慣もネッ トショッピングの利用へと変化してきている。
中国市場に参入したいくつかの日系企業はこの変化を予測し、E-コマース事業を展開している。 ユニクロはその典型的な例である。最近、ユニクロは淘宝網(タオバオ)でネットショップを設立 し、中国で E-コマース事業を拡大している。中国での E-コマース市場の拡大を見据え、日系企業に よる中国での E-コマース事業のマーケティング戦略が関心を集めている。
E-コマースについては、数多くの先行研究がなされている。Peppers and Rogers(2000)はワン・ トゥ・ワン・マーケティングを提示し、Keeney(1999)は価値提案の重要性を主張している。また、 CRM(Levitt 1960)、関係性マーケティング(Morgan and Hunt 1994)や協働型マーケティング(Prahalad and Ramaswamy 2000)などの理論が生まれている。しかし先行研究では、中国市場における日系企 業の E-コマース事業に関するマーケティング戦略について十分な検討がなされているとはいえな い。
第2節 研究内容と研究目的
本研究の研究対象は、日本の新興小売サービス企業ユニクロである。具体的な研究内容としては、 まず E-コマースに関する理論を整理する。次いで、中国市場および中国における消費者行動・ネッ トショッピングを考察し、日系アパレル企業の中国市場参入戦略をまとめる。そして、中国市場に おけるユニクロ参入以前の戦略を調べた上で、近年のユニクロによる E-コマース事業を分析する。 さらに、ユニクロと VANCL ならびに Metersbonwe を比較する。最後に、E-コマース事業の成功要 因を分析した上で、E-コマース事業の将来性を検討する。
本研究は、中国市場に進出した日系アパレル企業の E-コマース事業における成功要因を明確にすることを目的とする。
第3節 研究方法
本研究のメソッドは、主にケーススタディによるものである。まず、E-コマース、中国市場、消 費者行動、およびネットショピングに関する先行研究や文献資料をレビューする。次に、中国に参 入した様々な日系アパレル企業のマーケティング戦略を調査する。続いて、日本のユニクロの資料 をまとめ、ファイブフォース分析、SWOT 分析、4P、STP などの分析手法を用い、ユニクロのグロ ーバル展開における成功要因と中国市場における成功要因を明確にする。さらに、ユニクロと凡客
(VANCL)や Metersbonwe といった中国における同業の B2C アパレル業者を比較し、E-コマース事 業の成功要件を検討する。最後に、本研究の貢献点と限界を分析する。
………………………………………………………
由于篇幅所限,此处不能完全刊载论文全部内容,如需完整论文内容,请点击下面链接去下载全篇论文的完整文档!