バイトの賃金について
はじめに
最低賃金とは、簡単に言えば人々が暮らしていくための最低限必要な賃金である。それ以下の賃金を稼ぐ場合は生活が非常に苦しくなる。最低賃金は1959年の「最低賃金法」を根拠として定められている。最低賃金は正社員、バイト、パートタイマーなど、すべての労働者に適用されている。最低賃金は労働者の生活を保障できるはずであるため、人々の最低限の生活需要を満足させるには、適切な金額に設定されなければならない。特に、正社員ではなく、バイトをしながら生活している人にとって、最低賃金は最も重要な生活の保障の一つである。このレポートはバイトにとって、最低賃金の設定が適切であるかどうかを検討するものである。
- 各都道府県の最低賃金
最低賃金は地域別の最低賃金と産業別の最低賃金に分ける。ここでは地域別の最低賃金を考察する。下表は厚生労働省による「平成29年・地域別最低賃金の全国一覧」である。最低賃金は最も高い地域が東京であり、958円である。最も低い地域(熊本、大分、鹿児島、沖縄県など)は737円で、東京と221円の格差も存在している。そして、そのような格差が生じる要因は主として首都圏の物価の高さ、経済の東京の一極集中化などにある。それにしても、「一日8時間、一ヶ月21日」の月給に計算すれば、221円の格差はかなり大きいのである。東京は約16万円となり、熊本などの地域は約12万円となり、最大で約4万円の格差が存在する。
都道府県 | 最低賃金時間額(円) | 都道府県 | 最低賃金時間額(円) |
北海道 | 810 | 滋賀 | 813 |
青森 | 738 | 京都 | 856 |
岩手 | 738 | 大阪 | 909 |
宮城 | 772 | 兵庫 | 844 |
秋田 | 738 | 奈良 | 786 |
山形 | 739 | 和歌山 | 777 |
福島 | 748 | 鳥取 | 738 |
茨城 | 796 | 島根 | 740 |
栃木 | 800 | 岡山 | 781 |
群馬 | 783 | 広島 | 818 |
埼玉 | 871 | 山口 | 777 |
千葉 | 868 | 徳島 | 740 |
東京 | 958 | 香川 | 766 |
神奈川 | 956 | 愛媛 | 739 |
新潟 | 778 | 高知 | 737 |
富山 | 795 | 福岡 | 789 |
石川 | 781 | 佐賀 | 737 |
福井 | 778 | 長崎 | 737 |
山梨 | 784 | 熊本 | 737 |
長野 | 795 | 大分 | 737 |
岐阜 | 800 | 宮崎 | 737 |
静岡 | 832 | 鹿児島 | 737 |
愛知 | 871 | 沖縄 | 737 |
三重 | 820 | 全国加重平均額 | 848 |
(出所:厚生労働省公式ウェブサイト)
- 最低賃金法と最低賃金設定の合理性
最低賃金法は1959年に定められ、2007年に改正され、翌年から施行された。この法律の目的は第1条で明らかに述べている:「この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする」。こうして、まず賃金の最低額を保障し、その後労働条件の改善及び生活の安定を実現し、最後に国民経済の健全な発展を実現するという回路となる。それで、賃金の最低額の設定が非常に重要である。
最低賃金法に従って、厚生労働省に中央最低賃金審議会が設置され、都道府県労働局に地方最低賃金審議会が設置されている。毎年に、中央最低賃金審議会は最低賃金改定額の目安を提示し、それを参考として地方最低賃金審議会は審議と答申を繰り返し、最低賃金額を決定する。この設定方法は時間と地域による賃金の格差を考えに入れて、妥当性と合理性がある。しかし、一定の労働時間に達しないと、バイト、パートなどの月給や年収は最低限の生活水準を保証できない場合が増加している。一生懸命に働いても、貧困線以下の生活を暮らしているワーキングプア(働く貧困者)の増加はその証拠の一つであると考える。そのようなワーキングプアの中には、バイト、パート、フルタイムなどの非正規雇用者が多いのである。
- バイト賃金の満足度
前述の考察を踏まえて、ここで北海道を例として、今の最低賃金でバイトをすれば最低限の生活ニーズに満足することができるかを考察する。
全国労働組合総連合による「2017年・最低生活費試算調査」から分かるように、北海道・札幌市において、25歳単身者・賃貸ワンルームマンション(25平方メートル)に居住という条件で、食費、住居費、保健医療、交通・通信費、教育費用などの消費支出を計算し、税込の最低生活費は一ヶ月間に男女ともに約22万円が必要とする。
それを月150時間に換算すれば、最低賃金時間額は1500円となるはずである。また、173.8時間に換算すれば、最低賃金時間額は1294円となりはずである。しかし、北海道の実際の最低賃金時間額はわずか810円である。もし一日8時間、一ヶ月21日出勤すれば、なかなか生活を維持することができない。最低限の生活を保障するために、一ヶ月に約272時間で働く必要がある。それでは、働くことが非常に苦しくなり、人間らしい生活とは言えない。それが故に、バイト賃金で貧困に陥る場合が多い。
まとめ
このレポートはまず、2017年に各都道府県の最低賃金の一覧を考察し、最高の地域と最低の地域との間に、221円の格差があり、その格差が大きいと分かった。次に、最低賃金法の目的と最低賃金設定の方法を考察し、現在の設定方法で合理性と妥当性があると見える。しかし、一定の労働時間に達しないと、バイト、パートなどの月給や年収は最低限の生活水準を保証できない場合があると分かった。最後に北海道を例とし、バイト賃金の満足度を考察し、今の最低賃金で満足できないことを解明した。
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