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タイ人日本語学習者による日本語uの発音

タイ人日本語学習者による日本語/u/の発音 ~音響空間と唇形状の分析~ 要旨 この研究の目的は、タイ人日本語学習者が日本語発音を習得する際、母語であるタイ語 の音韻体系や音声構造を…

タイ人日本語学習者による日本語/u/の発音
~音響空間と唇形状の分析~

要旨
この研究の目的は、タイ人日本語学習者が日本語発音を習得する際、母語であるタイ語
の音韻体系や音声構造を背景として、いったいどのような特徴をもつ発音をするようにな
るのかという問題を、母音/u/を事例として音響音声学的観察法と調音声学的観察法により
探求することである。
タイ語の母音音素は日本語の母音音素より数が多い。そのためタイ人日本語学習者が日
本語の母音を発音する際に、1つの日本語母音に対して複数のタイ語母音が影響を与える
のではないかと考えられる。その典型的な事例の一つとして本研究は/u/に着目し、タイ人
が日本語の/u/を発音する際のタイ語の影響を調べた。
本研究では、音響音声学的アプローチとしてPraat (version4.4.16 )を使用してフォルマ
ント数値を計測、その数値をPlotFormant でバークスケールによるグラフに布置して、比
較観察を行った。また調音音声学的アプローチとして発音時の唇の形の静止画像を撮影し、
これを分析して図式化し、解釈を試みた。
両分析の結果からタイ人日本語学習者による日本語/u/の特徴の重要な側面を浮かび上が
らすことに成功した。
謝辞
この論文を執筆するにあたって、録音・撮影・調査に協力して下さった、シーヌアン・
ウォララットさん、ベンジャチャワーン・ジュリーさん、トーイン・チャンジュターさん、
ピヤバウォンナン・タナワンさん、モンコンチャイ・アッカラチャイさん、録音・撮影時
にお手伝い下さった柳村裕さん、草稿段階で助言を下さった高田三枝子さんに御礼申し上
げます。
ただし、本文中の誤りの責任はすべて私にあることをここに述べさせていただきます。

●目次
1.はじめに
2.タイ語母音音素
3.音響音声学的分析
3.1.録音内容
3.2.録音方法
3.3.分析方法
3.4.分析結果
4.唇形状静止画像分析
4.1.撮影内容
4.2.撮影方法
4.3.分析方法
4.4.分析結果
5.結論
●付録
●参考文献

1.はじめに
この研究の目的は、タイ人日本語学習者による日本語の/u/“う”の発音の特徴を、母
語であるタイ語の母語の影響を検討するというアプローチにより音響音声学的観察法と調
音音声学的観察法を用いて探求することにある。
タイ語の母音音素は日本語の母音音素より数が多い。そのためタイ人日本語学習者が日
本語の母音を発音する際に、1つの日本語母音に対して複数のタイ語母音が影響を与える
可能性がある。タイ語の母音の中で/u/に着目した理由は、日本語母語話者の聴覚印象にと
って、日本語の/u/に類似して聞こえる母音は、タイ語母音の中で/u/ /_/ /_/の3つがあり、
これは他の母音の同じような組み合わせに比べ数が多く、さらにこの3つは母音の高低、
前後、円唇の度合いと母音の音色を決定する3パラメーターすべてにおける違いが関与し、
ほかの類似母音の組み合わせより複雑なためである。
本研究では、音響音声学的アプローチと調音音声学的アプローチの2つを用いた。音響
音声学的アプローチではPraat (version4.4.16)を使用してフォルマント数値を計測、その
数値をPlotFormant でバークスケールによるグラフに布置し、比較観察を行った。調音音
声学的アプローチでは発音時の唇の形の静止画像を撮影し、これを分析して図式化し、解
釈を試みた。両分析ではタイ語・日本語ともに典型的な前母音である/i/と、安定して円唇
の構えを持つ/o/を同時に観察し、音響空間上の配置や唇の形状の違いを相対的に比較する
ことで/u/の特徴を明らかにした。
次章ではタイ語の/u/について本研究で論じるにあたって最低限必要なタイ語母音音素の
体系に関する情報を記述する。
これ以降、本稿ではタイ語の音素を/_/-T、日本語の音素を/_/-J と表記する。
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2.タイ語母音音素と日本語母音音素
タイ人による/u/-T や/u/-J を論じるにあたって、タイ語母音音素の体系を示し、日本語
母音音素体系との比較をしておく。ここで示しているタイ語母音音素の目録と分類は、三
谷(1989:532)による。それに基づき、〔±back〕〔±high〕〔±low〕〔±round〕の4 種
類のbinary feature を用いて対立関係の解釈を行った。
タイ語母音は短母音と長母音と二重母音を持つが、本研究では短母音と長母音の違いは
分析結果に関係が無く、二重母音は日本語に類似の母音がなく本研究では観察対象としな
いため、ここでは短母音のみを表記する。なお〔±round〕についてであるが、タイ語に
おいてはdistinctive feature であるが、日本語においてはredundant feature であること
をここで述べておく。
表1 タイ語母音音素 表2 日本語母音音素
- back   +back  - back   +back
+high,- low /i/ // /u/ +high,- low /i/  /u/
- high,- low /e/ // /o/ - high,- low /e/  /o/
- high,+low // /a/ // - high,+low  /a/
- round +round   - round +round
表1と表2から、タイ語と日本語は同じ〔+high,- low,+back,+round〕で表すことの
できる/u/を持つことが分かる。よって、この音韻特徴の比較から次のような仮説がたてら
れる:タイ人日本語学習者が/u/-J を発音する際、/u/-T の発音、あるいはそれと類似の発
音をもって代用をしていることが期待される。
しかしながら、筆者がこれまでに聞く機会のあったタイ人の日本語に関する聴覚印象で
は、タイ人による/u/-J は/u/-T と類似している一方で、違いも感じられる。次章では実際
のタイ人による発音を音響音声学の観点から分析することで、この違いの正体に迫り、タ
イ人の/u/-J の発音の重要な特徴を明らかにすることを目指す。
3.音響音声学的分析
この章ではF1とF2の測定値を用いて、学習者による/u/-J の発音と、/u/-T や//-T、/e/-T
の発音との音響空間の比較をし、分析する。
3.1.録音内容
録音したのは、タイ人によるタイ語5母音と日本語3 母音、日本人による日本語3 母音
である。話者についての関連情報と録音対象とした母音は以下のとおりである。
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被験者タイ人5人(女性4人と男性1人で、全員20歳代。録音時、女性4人は留学11
ヶ月目、男性一人は留学1年11ヶ月目であった。よって日本語母音
の発音は安定しているといえる。)
日本人2人(2人とも東京出身の女性で、年齢は20歳代と10歳代である。)
録音対象タイ人による/u /-T //-T //-T /i /-T /o /-T /u /-J /i /-J /o /-J
日本人による/u /-J /i /-J /o /-J

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作者: 中国论文网

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